意味が分かると怖い話

【完全オリジナル】意味が分かると怖い話:お節介

【完全オリジナル】意味が分かると怖い話:お節介

完全オリジナル「意味が分かると怖い話」。

暇つぶしにいってらっしゃい…

意味が分かると怖い話:お節介

社会人になり、いい加減自立しなくてはと思い立ち、一人暮らしを始めた。

学生までは実家に居座って、ろくに家事手伝いもしてこなかったため、家事能力がまったく身についていなかった俺を、母は心配していた。

しかしこのまま母におんぶに抱っこ状態で社会人になっても甘えていたら、それこそマザコンと思われてしまう恐れがあるという事で、せめて一人暮らししなければ、と俺は家を出た。

家を出る直前まで母は色々と俺に家事のノウハウをレクチャーしようとしつこく話しかけてきた。卵はチンしちゃダメとか、洗濯機は2,3ヵ月に1回はちゃんと掃除するとか、ゴミ出しの時間に起きる自信が無いなら前の夜に出しておきなさいとか、そんな事だった。

やいのやいの言う母親にうんざりしながら、俺は話半分に聞きながら家を出た。

借りたアパートは、会社からほど近いワンルームで、家賃相場が7,8万という都心だったにも関わらず、破格の3万5千円だった。

とにかく安い家賃に惹かれて、俺は不動産屋さんの説明もロクに聞かずに、即決でこのボロアパートに住む事を決めた。

一人暮らしはすこぶる快適だった。

しかし、1つだけ不満があった。母がちょくちょく勝手にやってきては部屋を片付けているようだったのだ。合鍵を実家に預けておいたのが良くなかったらしい。

ある日俺が会社から帰ってきたら、部屋が妙に綺麗になっていた。

俺は実家に電話をした。母が出て「どうしても気になっちゃって・・・」と言い訳がましく弁解していた。

俺は盛大に溜息をついて、もうそういう事はしなくて良いから、と言ったのだが、それからもしばしば母は勝手に片づけにやってきているようだった。

俺も諦めて、何も言わなくなってしまった。

そんな俺にも彼女ができた。

彼女が俺の家に泊まりに来て、カーディガンを忘れて帰っていった。

俺はそのカーディガンをハンガーに引っかけたままにして、野暮用で出かけた。帰ったら家の中が片付いていたのだが、彼女のカーディガンが見当たらない。

必死に探すとズタズタに引き裂かれたカーディガンがゴミ袋の中に捨てられていた。

俺は激昂して実家に電話をかけた。

父が出て、母を出すように言うと、風呂に入っているという。

「母さんと一緒に東北旅行に行っててな。さっき帰って来たとこなんだよ」

父はそう言った。

そんなはずは・・・。

俺はSNSを開いた。旅行が趣味の両親は、旅先の写真を必ずSNSにアップする。

夫婦並んでピースをしている写真を確認して、俺は静かに受話器を置いた。


勝手に部屋を片付けていたのは一体誰だったのだろうか。
最初は確かに母親だったかもしれない。しかし、カーディガンを引き裂いたのは・・・
家賃が安すぎる物件で、不動産屋の話をきちんと聞いていなかったという事は、この物件は事故物件だったという事。前の住人に何があったのか…それはストーカー行為によるものなのかもしれない。